【国語教材】ルビ振りの基本と校正ポイント

【ご注意】
この記事は、国語教材における一般的なルビの振り方について説明したものです。
ルビ校正の方法を検索して、こちらに辿り着かれる方が多いのですが、ルビ振りのルールはジャンルや制作物によって異なります。
ご自身が今手がけているものの校正方法をお知りになりたいのであれば、編集者や上司などしかるべき相手に、手元の制作物の編集(校正)ルールをご確認いただくのが筋道です。

国語教材の漢字 ルビ振りの体裁

■ ルビには、対字(モノ)と均等(グループ)の2種類がある

  1. 対字(モノ)ルビ=1文字ずつに振る。
  2. 均等(グループ)ルビ=熟語全体をワンセットとして、均等に割り付ける。

1は「光栄」「表彰状」など、親文字にかかるルビの文字数がそれぞれ同数の場合、「こう/えい」を「こうえい」、「ひょう/しょう/じょう」を「ひょうしょうじょう」としても、どちらでも見た目は同じ、 と思いきや、微妙に差がある場合も。老眼の方はルーペ推奨。
2は熟字訓の場合に用いられ、それ以外では通常1。
割り付けは、1・2ともに親文字に対して中央揃えにするのが通例。

■ 小学校教材のルビは、学年配当漢字に従うのが原則

他教科の校正に比べ、報酬単価が高いといわれる国語。その理由の一つがこれ。 既習漢字はトジ、未習漢字はヒラキまたはトジルビ、未習漢字をヒラクと交ぜ書きになる場合はトジルビなど、学年や教材によって異なります。
学年配当漢字を調べるには、ふりがな(学年別配当漢字使い分け)がおすすめです。

■ 拗音・促音のサイズが小さいとは限らない。ナミの場合もある

早まって赤字を入れてしまわないよう注意。 
ほかの拗音・促音がすべてナミなら、きっとそこもナミです。

■ 親文字からはみ出しても、平体をかけるとは限らない。ナミの場合もある

小学生(特に低学年)用の教材では、平体を一切使用しないことがあります。
ルビが長すぎて、次の親文字にかかってしまう場合は、親文字間を広めにとって調節。
中・高のものに慣れていると、不恰好に見えますが、許してやってください。

■ 字間ルビは前の単語に押し込むことがある

「枕草子」のルビは、「まくら/の/そうし」と「の」を字間ルビにするのが本来。
ですが、編集の方針により、「まくらの/そうし」にしてしまうことも結構あります。



国語教材のルビ校正 見落としやすい部分

■ 読みが未習の既習漢字にルビが振られていないことがある

「書きは既習、でもその読みは未習」という漢字にルビを振る場合が多々あります。小学教材ではまず例外なく、中学教材でも多くはそのルールに従いますが、いずれも記憶を頼りにするだけでは到底拾いきれないのが難。
できるだけ楽にチェックしたいなら、校正支援システムを利用するのが吉です。

■ 級数がほかと異なっていることがある

ある部分だけ級数が大きく(小さく)なっている、ということが稀にあります。
引き合わせの段階では意外と気づかないので、素読みで颯爽と拾いたいところ。

■ 解答に抵触していることがある

ルビつきの漢字が、同じ見開き内またはテスト内に、「読み問題」として出題されていることがあります。
また、イラスト(主に吹き出し)のルビも要注意。 答えがわかってしまうので、いずれもルビはトルママにします。

■ 字形の似た別の文字になっていることがある

「ぬ」→「ね」、「ほ」→「ま」など、似たような別の文字になっていることがあって、ヒヤリ。発見した瞬間、眠気が吹き飛びます。
OCRで読み込んだもの、中国の組版で多発しますが、原稿整理の赤字が不明瞭なとき、組版担当者がピンポイントの視野しかもっていないときにも、起こり得るミスです。


以上、思いついただけ列記してみました。 例外も存在すると思いますし、モレもありそうですが、基本はおよそこんなところではないでしょうか。
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