執筆の作法

国語に正解はあるか

「国語に正解はあるんですか」 理科の編集者に訊かれた。「正解などない」という反語の口調だった。 その疑問めいた批判は、知識問題に対してではなく、もちろん抽象的な読解問題に向けられたものだろう。 いかようにも読み取れるものに対して、解が一つであろうはずはない。 言いたいこ...

2013-11-17

熟字訓の問題の注意点

ご訪問者様の検索語句に回答するシリーズ。 今回は、熟字訓の問題の注意点について。 解答者の注意点? 出題者の注意点? たぶん前者だと思いますが、後者のほうでご回答。  注意点1   個々の漢字を習う時期と熟字訓としての読みを習う時期は異なる(熟字訓は上の学年になっ...

2013-09-29

国語教材の「漢字問題と解説」の執筆に関する注意点

国語教材につきものの漢字問題では、ほぼ例外なく例文を伴います。 今回は、その一般的な執筆作法の説明です ( 例 の下線は、設問の傍線部を示しています。) 校正者の方も、以下のルールから逸脱したものがないかをチェックする必要があります ので、意識しておくとよいでしょう。 ...

2013-04-05

並列の表記「や」「、」「・」

今回も「国語教材の慣習」の解説。 3つ以上の事柄を並列して例示する場合は、一般的に、「AやB、C、Dなど~」と書きます。 (初めの2項目の間に「や」を入れ、それ以降は読点。) 「など」はE以降を省略するときにも使いますが、示すものがDまでしかない場合でもしばしば用いられ...

2013-02-12

でも、いや、しかし

今回は、逆接の「でも」について。 中学以上の国語教材の場合、設問および解説中で、「でも」は原則的に使用しません。 見つけたら、鉛筆で「しかし」に改めましょう。 めったに見ませんが、「~である。が、~」などもNG。 「だが」も避ける傾向にあります。

2012-10-30

「のたまふ」の現代仮名遣いは、「のたまう」?「のたもう」?

先日、歴史的仮名遣いの「のたまふ」を現代仮名遣いにする問いの場合、模範解答は「のたまう」「のたもう」のいずれにすべきか、というご質問をいただき、「のたもう」などとしているゲラはついぞ見たことがないと申しあげたのですが、その後、思いがけず遭遇してしまいました。 作問が不慣れな感...

2012-07-24 4

接尾語「~め」のトジヒラキ

学参の校正では、表記統一を徹底的に行いますので、「これくらいはいいか」と思わないで丁寧に拾っていってください。 教科書準拠教材の場合は、原則的に教科書の表記に従い、「目」か「め」で統一します。 (まれに、教科書に従わない方針の場合もあります。) 準拠もの以外の教材につ...

2012-06-23